それから…


大きな行事もないので、始業式からはしっかりと通った。
いつもと変わらない日々…のはずだったのに。


「ねーねー雫ちゃん」

「なっなに?」

「教科書忘れたから見せて?」

「また!?」


と、毎日のように…というか1時間置きくらいに話しかけてくる。
それは授業中でもお構いなしに…

「ねーねー雫ちゃん」

「なに?」

「いい匂いがするんだけど、なにか香水とかつけてる?」

「…はぁ!?」

「ちょっと!南雲さんうるさいですよぉー」

「すっすみません…」

先生に怒られてしまった。
すべては晴太くんのせい。

「(小声で)ごめん、雫ちゃん。でもいい匂いしたからさ」

晴太くんは笑顔で謝る。
その笑顔がすごく眩しく感じる。