風上 将太(22歳)
※偽名を用いています。
てんかんを持っている知的障害者である。
発症が確認されたのは兄が2歳の時。激しい痙攣と高熱を出し、すぐさま病院で入院をした。
しばらくして、兄が障害者であることが分かった。
主な症状としては、
・突発的な全身発作
・著しい知能の遅れ
である。
兄は、私よりも5歳年上なのに、実際の知能レベルは3歳時並である。
おかあさんといっしょや、いないいないばぁを見たりする。
そんな兄との生活は長い。そりゃそうだ。私が生まれた時には、既に兄は生まれていたのだから。
だからか。私には、障害者という存在に、何一つ違和感を感じていない。
むしろ、“普通のお兄ちゃん”という存在の方が私には違和感バリバリなのだ。
友人に、
「うちのお兄ちゃんに彼女が出来た」
などと話されても、私には変な感じに聞こえてしまう。
「えっ?お兄ちゃんって彼女作れるの?」
という具合に。
私にとって兄は、世話や守る対象だった。
そんな兄だが、なかなか無邪気でかわいいところもあるのだ。