PASMOを更新し、高校生三年生としてこれからの準備を済ませた午後のこと。
「雅、お墓参りに行かない?」
母が私をお墓参りに連れていった。
私と母と祖母の三人で、久々に祖父や御先祖様の眠るお墓に、花をあげたり、水を足したりした。
「早く終わったね」
お寺の水場で手を洗いながら母が言う。
「将太(ショウタ)のお迎えは何時かしら?」
「3時半だから…まだ30分以上あるよ」
祖母の問いに、母が時計を見ながら少し“しまった、早過ぎた”という顔をした。
「じゃあ隣にある公園に行きたい!」
それを見ていた私は、目を輝かせて提案したのだった。