ホストは膝に手を置き、肩で息をしていた。 髪の毛は乱れ汗だくだった。 「なにしてんの?」 「はぁ、はぁ…― なにじゃないで…― ちょっと目離したら消えんやから…― 心配したやんか…―」 「なんで私のこと心配するの? 初対面だし構わないでって言ったじゃない」 こんなやつ信じない。 ホストなんか信じない。 大人なんか大嫌いだ。