「怜奈!」
「はい?」
「今日部活、休むから。」
「は?また?」
「塾なんだも~ん」
「塾より部活優先じゃないの?」
「怜奈。あのねぇ。じゃあ受験と部活どっちが優先?」
「う~ん…部活?」
「ばか。将来がかかってるんだよ?怜奈ももう中3なの。受験生なんだよ?
将来のコトも考えなきゃじゃん。」
「でも、コンクールのほうが先だよ。」
「ごめんけど私、コンクールより受験のほうが大事だから」
「え~?」
「ってことだから。じゃね!」
「え~~まな~~」
向坂怜奈(サキサカレイナ)14歳。
中学3年生なりたてです。
吹奏楽部部長で、人呼んで…
『部活馬鹿。』
まあ、自分でもわかってるくらい。そのネーミングが似合う。
似合いすぎる。
パーカッションやってるんだけど、その中でも私はドラム担当。
ドラムがない時はスネアドラム。(小太鼓)
パーカッションの中での花形。
縁の下の力持ち、といった奴だ。
そんな役目を私はものすごく気に入っている。
それで、今年のメンバーはいいメンバーがそろっている。
だから、私はこのメンバーで、金賞がとりたい。
だけど2年生まではみんなで励んでいた部活も、3年生となると受験生。
みんな参加できなくなってきた。
私も塾とかいかなきゃいけないのかな?
成績は悪いほうじゃない。
むしろ少しいいほうだ。
だけど、私より頭のいい子たちも、みんな塾にいって必死に勉強している。
でも、もし受験に失敗したら?
就職できなくなる?
将来はどうなるのか。
よくわかってる。
それでも私は部活に励みたい。
「どうすればうまくいくのかな」
ため息をつく。
『ドン』
鈍い音がして、景色が変わっていくのがわかった。
でもそのあとの記憶はない。
「ん?」
私の手の上には手が重ねられていた。
大きい手。
大きくてごつごつしてる。
まぎれもなく男の子の手だ。
少し目線をあげると、
整った顔立ちの男の子が寝ていた。
「まつ毛なが。」
でも、私なんでこんな男の子といるんだ?
ここはどこ? いやいやそこまでない。ここは保健室だ。
私はだれ? 私は向坂怜奈だ。そのくらいわかる。
首をぶんぶん振って、自分の顔をたたく。
「ぷッ」
「…?」
「はい?」
「今日部活、休むから。」
「は?また?」
「塾なんだも~ん」
「塾より部活優先じゃないの?」
「怜奈。あのねぇ。じゃあ受験と部活どっちが優先?」
「う~ん…部活?」
「ばか。将来がかかってるんだよ?怜奈ももう中3なの。受験生なんだよ?
将来のコトも考えなきゃじゃん。」
「でも、コンクールのほうが先だよ。」
「ごめんけど私、コンクールより受験のほうが大事だから」
「え~?」
「ってことだから。じゃね!」
「え~~まな~~」
向坂怜奈(サキサカレイナ)14歳。
中学3年生なりたてです。
吹奏楽部部長で、人呼んで…
『部活馬鹿。』
まあ、自分でもわかってるくらい。そのネーミングが似合う。
似合いすぎる。
パーカッションやってるんだけど、その中でも私はドラム担当。
ドラムがない時はスネアドラム。(小太鼓)
パーカッションの中での花形。
縁の下の力持ち、といった奴だ。
そんな役目を私はものすごく気に入っている。
それで、今年のメンバーはいいメンバーがそろっている。
だから、私はこのメンバーで、金賞がとりたい。
だけど2年生まではみんなで励んでいた部活も、3年生となると受験生。
みんな参加できなくなってきた。
私も塾とかいかなきゃいけないのかな?
成績は悪いほうじゃない。
むしろ少しいいほうだ。
だけど、私より頭のいい子たちも、みんな塾にいって必死に勉強している。
でも、もし受験に失敗したら?
就職できなくなる?
将来はどうなるのか。
よくわかってる。
それでも私は部活に励みたい。
「どうすればうまくいくのかな」
ため息をつく。
『ドン』
鈍い音がして、景色が変わっていくのがわかった。
でもそのあとの記憶はない。
「ん?」
私の手の上には手が重ねられていた。
大きい手。
大きくてごつごつしてる。
まぎれもなく男の子の手だ。
少し目線をあげると、
整った顔立ちの男の子が寝ていた。
「まつ毛なが。」
でも、私なんでこんな男の子といるんだ?
ここはどこ? いやいやそこまでない。ここは保健室だ。
私はだれ? 私は向坂怜奈だ。そのくらいわかる。
首をぶんぶん振って、自分の顔をたたく。
「ぷッ」
「…?」