『宗ちゃん…』


車の中でつぶやいてしまった。


『おねーちゃん、なんか言ったー?』


隣りでおもちゃをいじってる快人が聞いてきた。


『別に…なにも』


『なーんだ』


運転してる母さんはあたしには目もくれない。


息詰まる。


疲れた。


こうゆうときは中一のときを思い出してしまう。


あたしは…宗ちゃんが好きだったんだ。


小河くんのことを宗ちゃんって呼んだあのときから、


好きだったんだな…