桜の花が、空我くんの頭の上に舞い降りた。


「…あ。花びらが……」


「えっ!? どこですか?」


困ってる空我くんに、私は「ちょっと待って」と言って、少し背伸びをした。


最近の男子は、成長してます……。


私より背が高い……。


頑張って桜の花びらを取って、空我くんに見せる。


「ほら、取った」


「……あ、ありがとうございます。桜先輩!」


目を細めて笑う、空我くん。


「……大したことしてないよ?」


「それでも、お礼を言うのは当然ですよ」


礼儀がちゃんとしてる子だなぁ……。