す、好きな人に笑顔を向けられるだけで、こんなに顔が熱くなる。 思わず目を逸らして、鞄をさぐってみたりする。 「ほっ、本があるよ! 本を読もう!」 「え? あ、はい……そうですか」 空我くんの反応に、私は区部を傾げた。 なんか、乗り気じゃない? 「……本、読まないの?」 「あ、はい」 そっかー…… 男子って、あんまり本を読まないのかな? どっちにしろ、もったいない!