「祈衣華ぁっ!!なんでやねんっ!!アタシのファーストキスっ!!」


 テントに着くなり、歌誌葉の叫び声が響いた。


「歌誌葉ちゃんこそ、おまじないだなんてあんな嘘ついて!抜け駆けは禁止っていう約束じゃないですかぁっ!」

「うっ…。」


 痛いところを突かれたのか、反論できなくなる歌誌葉。


「それに、これは勝負ですっ!私だってファーストキスですもんっ!」

「もうちょっとで…アタシの勝ちやったのになぁ…。」


 残念そうな顔をする歌誌葉に、勝ち誇ったような顔で告げる祈衣華。


「どっちがいち早く流樹さんにキスできるか、この勝負、引き分けですね。」

「悔しいーっ!!…じゃあ、次は手をつなぐ!!」

「今度こそ負けませんっ!!」

「のぞむところやっ!!」


 新たな勝負の約束をした2人だった。