駅の改札口で楓君からメールがきた。

『アメ リカ いくことになつた。
 さ よなら』

隙間だらけで、漢字は使わない、楓君のメール。
楓君からのメールは誕生日と正月だけだったのに。



残酷すぎる。
最後に声さえも聞かせてくれないなんて。
気持ちのない言葉だけなんて。
どうしてメールで終わらせようとするの。



───楓君の気持ちはメールで終わらせるぐらいの気持ちだったの?


風が耳に当たる。
楓君みたい。
楓君といると耳が熱くなって赤くなる。
人懐っこくて。
ずっとついてくる。



私は改札口に泣き崩れた。