それからよく記憶がない。
頑張ったのは覚えてる。
ものすごくなりきった。
セリフは覚えてたからなんにもいらなかった。



「私・・・ね。もう泣かないから。頑張るから!」

キーンコーンカーンコーン
「終わり。もう帰ろ」

「・・・まだ見たかった。
お前すげぇよ!
地味子じゃねぇじゃん!」

「私は・・・地味だよ。」

「俺さ、お前のファンになってやる!ファン1号だ!」


私の話なんか聞かないで翔は階段を降りて行ってしまった。


・・・ファン1号か。
嬉しい・・・・・・

私が初めて認められた瞬間だった。