薔子を文字で表現するならば『美』としか思い浮かばない。


濃い化粧はせず、端正な顔立ち。そしてその顔立ちに負けない完璧なプロポーション。


美しいものが大好きで、特に薔薇を好んで部屋に飾っていた。


薔子は僕にとってのミューズ。素晴らしいデザインが溢れる程に湧く。



僕達は同じ部屋で生活し、愛を育んでいった。

公私共に充実していて幸せいっぱいだった。



しかし幸せとは脆いものである。


ある日、僕の薔子は壊れ始めた。

そして僕と薔子の関係は、歪んだものへと変化していった。