僕達が出逢ったのは運命だと、今でもそう思っている。
友人と立ち上げたアパレルブランドが軌道に乗り始めた頃。
僕は取締役兼デザイナーとして忙しい日々を過ごしていた。
カタログに載せる為の撮影でモデルとしてやってきたのが薔子だった。
モデルは他に何人もいたし、そういう業界の女の子と割り切った付き合いをしたことも多々ある。
だけど彼女だけは他の女の子達と違っていた。
独特の雰囲気を醸し出していて、自分というものをしっかり持っている。
とても美しく聡明で。
そんな彼女に恋をした。
その日より、口説き続けること3ヶ月。
薔子の心は僕のもとへ傾き、恋人同士という間柄になった。