いつも通りの街並み。いつも通りの彼女。いつ通りの丘。


でも、いつも通りの明日は来ない。


圭太「手紙・・・交換しよっか。」

友愛「ねぇ。明日いつ出るの?」

圭太「・・・」


俺は無言でコートのポケットから、片道の切符をだし、友愛に渡した。


友愛「え?これ何時発か書いてないよ。あ!でもこれもらったら圭太は明日行けないんだ
ね。いえ~い♪」


妙にはしゃぐ友愛。俺はそれを横目に見ているしかなかった。


圭太「明日の朝早く、上りの電車に乗る。」

友愛「へ?」


不安でどんよりとした空気が流れる。そんな中で友愛は口を開いた。


友愛「離れててもいつまでも、友愛のこと想ってるなんて・・・。
そんなの無理だよ。離れたら・・・離れたら駄目になっちゃうよ・・・」


涙をこぼしながらそういって友愛はうつむいた。


おれは震えるその小さな肩を包み込むことしかできなかった。


友愛「行かないで。」


その言葉が友愛のしゃべった最後の言葉だった。丘から見える街の中に


卒業のあとの校舎を小さく見つけた。