「・・・あ!! お土産で思い出した!! 私、みんなにアメリカ土産渡してない!!」

  突然大き声を出すサヤ子。

 「遅!! お土産のキーホルダーのくだり、だいぶ前じゃん」

 サヤ子の尋常ではないタイミングのずれ方に、笑いながら突っ込む。

 アメリカからの時差ボケが未だに続いているかの様な、タイムラグ。

 ・・・アメリカかぁ。

  「・・・アメリカと言えば、俺、サヤ子に言ってない事あるわ」

  「え・・・何・・・??」

 サヤ子が不安そうな顔で俺を見つめた。

 「別に、ハメたわけでも、2人で仕組んだわけでもないんだけど・・・サラさんが『1つしか部屋空いてない』って言ったの嘘だったりして」

 悪びれもなく(悪い事したとも思ってないし)サヤ子にニヤっと笑いかけると、サヤ子が俺のほっぺを摘まんで引っ張った。