「・・・私ね」

 俺の悶絶にも気付かず、湯気が出そうな勢いで赤くなったサヤ子が、恥ずかしそうに口を開いた。

 「ん??」

 「私、本当はどっかで期待してたのかも」

 「何を??」

 自分から話し出したくせに、モジモジモジモジするサヤ子のモジモジを止めるべくサヤ子の手首を掴んだ。

 サヤ子は困った様に照れ笑うと、ゆっくり話出した。

  「・・・あのね・・・実はずっと覚えていた事があって・・・。 翔太、高校の時に『衛星にも興味あるけど、医療ロボットにも興味がある』って言っててね、会わなくなってしまってからも『医療関係で一緒に仕事出来るかも』とか『一緒に働く事がなくても、翔太の作ったロボットを使って仕事したり出来るかな』とか、期待してたんだ、本当は。・・・考えもしなかった形で一緒に働けて・・・凄く不思議」

 サヤ子はきっと俺を殺す気だ。悶殺し。

 俺、悶死しちゃうよ、サヤ子さんよ。

 サヤ子は、風邪の俺を喜ばせてどうしたいの??

  思わずサヤ子の腕を引いてベッドの中に引きずり込んだ。

  驚いたサヤ子が俺の腕の中から逃れようと、胸を押してきたけど、

 「ちょっとだけ。風邪、移さないから」

 ぎゅうと力を強めて抱きしめた。

 「・・・移す気ない人のする行動じゃないでしょ。・・・でも・・・うん。ちょっとこうしてたい」

 サヤ子がに自ら俺の方に身体をくっつけてきた。

 サーヤー子ー!!

 ちょっと・・・てか、10年ってちょっとじゃねーな。

 10年会わない間に可愛い事言うわざ覚えやがって。

 ・・・ずっとこうしてちゃダメっすか??