「じゃあ、お熱計って下さいねー・・・ハッ!!」

 「何!!?」

  突然変な声を出すサヤ子に、普通にビビった。

 「イヤ、今無意識に看護師ぶちゃったよ、恥ずかしい・・・」

 サヤ子がクルっと後ろを向いて『冷えピタ取ってくる』と冷蔵庫へ向かった。

 あぁ、コスプレさせたい・・・って思う俺って変態かな。

 体温計を脇に挟みながらサヤ子の後ろ姿を眺める。

 体温計から『ピピッ』と計測終了の音が鳴り、脇から抜き取る。

  「看護師さーん、37度8分でしたー」

 「あ、はーい。微熱辛いですねー・・・って、本当にヤメテ。看護師7年もやると染み付くもんだねー」

 コントの様に見事に引っかかたサヤ子が『私で遊ぶな』と言いながら、俺の額に冷えピタを貼り付けた。

 「いい看護師だったんだろうな、サヤ子」

 看護師をしているサヤ子の姿を見てみたいなと思った。

 「・・・どうでしょう?? でも、今はいい先生になりたいな」

  優しく微笑むサヤ子につられて微笑み返すと、サヤ子が俺の頬にキスをした。

  「・・・ゴメン。・・・なんか・・・辛抱たまらんくなった」

 サヤ子さんよ・・・俺を生殺しする気??

 どうすんの?? どうしてくれんの?? 俺のこの気持ちは。

 あーーーー。俺、まじ悶絶。