「サヤ子、本気出してよ!! 全力で治して!! 俺の風邪!!」

  即座にベッドに潜り込む。

 「・・・そんなにエッチがしたいんだ・・・」

 サヤ子が白い目で俺を見た。

 「したいよ!! したいに決まってんじゃん!! どんだけ我慢してると思ってんの??!」

 「・・・なんか、がっかり感がハンパないです」

 サヤ子があからさまな溜息を吐く。

 「なんでだよ!! 好きな子触りたいの普通じゃん!!」

 「誰にでも触ってたじゃん」

 サヤ子め・・・なんだかんだ根に持ってるし。

 ベッドから起き上がってサヤ子の前に立った。

  「ぶっちゃけ触れますよ。でも、もうサヤ子に嫌われたくないからしないし。サヤ子だけでいいし!!」

 「わーかったから、いちいち起き上がってないで寝てって。あ、やっぱ寝る前に着替えて、汗臭い」

 適当にあしらっている様に見せてるけど、サヤ子が相当照れてるのが分かった。

 顔も耳も首までもが赤くなってたから。

 おとなしく着替えてベッドに入ると、サヤ子が体温計を俺に渡した。