「『サヤ子先生』??」
サヤ子は『まぁまぁいい女』には引っかからなかった様だ。
「今度からそう呼ぼうかと思って」
「いいの?? 私の事嫌いなんじゃないの??」
興奮気味に朝倉先生の両肩を掴むサヤ子。
「私、嫌いなヤツなんて完全無視ですよ。サヤ子先生の事は、たまにイラっとするけど割と嫌いじゃない」
朝倉先生は笑いながら『落ち着いて』とサヤ子の手を下ろした。
「私も朝倉先生好きですよ!! てゆーか、むしろ呼び捨てでもいいし!!」
大喜びのサヤ子に、さすがに引き気味になる朝倉先生。
「さすがに呼び捨ては・・・。じゃあ、『サヤさん』にします?? 私の事は『優たん』でいいです」
「・・・自分のあだ名だけなんか可愛くない??」
「だって私、可愛いし」
「確かに」
さっきまでいがみ合っていた2人が仲良く笑い合って、しかもあだ名で呼び合うまでになった。 女ってミステリー。