「・・・あったまくるなー」

 え?? 誰??  

 ・・・サヤ子!!??

  「朝倉先生は自分が可愛いって自覚があるからそういう事が言えるんだよ!! 私がそんな事言ったらただの痛い女でしかないじゃん!! だいたい、朝倉先生の可愛さがより引き立つのなんかねぇ、私みたいな人間がいるおかげなんだよ!! 文句言われるどころか感謝されてもいいくらいだよ!!」

 ずっとおとなしく朝倉先生の言い分を聞いていたサヤ子が、遂に反撃に出た。

 サヤ子がブチ切れてるの見るの、久々かもしれない。イヤ、初めてかも。

 キレ慣れていないせいなか、論点がズレにズレまくっているサヤ子。

 そして、朝倉先生による俺の悪口に対してのフォローがない。という事は、サヤ子も俺の事『軽くアホ』だと思ってんのか??

  予想だにしなかったサヤ子のズレ方に、半笑いになるのを堪える安田と朝倉先生。もう笑って終わりにしていただきたい。

 つーか俺、風邪ひいてる事、忘れられてないか??

 真っ赤な顔でキレるサヤ子を宥めようと、サヤ子に近寄ろうとした時、瑠美に着替えとタオルを手渡された。

 「ねぇ、翔太。なんでキスした時、泣いたの??」

 ねぇ、瑠美。なんでそれを今ぶっ込むの??