「悪いのはサヤ子じゃなくて俺・・・『そんなの分かってますよ』

 言い終わる前に、安田と朝倉先生が同じ言葉を同じタイミングで発し、遮った。

 同じ年に生まれ、同じ時代を生きると、打ち合わせなしで息を合わせられるものなのか・・・。

 ・・・にしても、先輩に向かってコイツら・・・。

 「青山先生が悪いのなんて分かってますよ。どんだけ人傷つければ気が済むんスか」

 安田が朝倉先生に加担しだした。

 「てゆーか、まだ私、高村先生に言い足りないんですけど!!」

 朝倉先生によるサヤ子への攻撃は続行するらしい。

 「高村先生、何なんですか?? 『私を好きなら他の女に目もくれるな』って言えばいいじゃん。ウジウジうじうじ気持ち悪い!! 青山先生はエスパーじゃない上に、軽くアホなんですよ!?? 言わなきゃ伝わるはずがない。それなのに、自分の思う様にいかないからって他の男に寄りかかるとか、クズだね」

  言いたい放題の朝倉先生に呆気にとられてしまった。 何気に俺の悪口まで盛り込まれてるし。