腕を組みならがそう言ったのは、朝倉先生だった。

 「『私の事を好きって言っておいて嘘吐き。玄関前でイチャついてみたり何なの?!』って言いたいんじゃないんですか?? 高村先生は。 でも、高村先生はいい人ぶりたいのかなんなのか分かんないけど、言わないでしょうね」

 棘のある言い方をしながら、朝倉先生がキッチンから俺たちの方に移動してきた。

 ・・・・朝倉先生、俺がサヤ子と付き合った事聞いたのかな??

 安田の方へ目配せすると、安田は口パクで『言ってない』と言いながら小さく首を振った。

 俺らの様子が目に入った朝倉先生が、呆れた様に息を吐いた。

 「イヤ、見てれば分かるでしょ、普通。 桜井先生だって気づいたから、高村先生が嫌な気分になる様な事をしたんでしょうよ」

 朝倉先生の言葉に、瑠美が渋い顔をした。