『で、具合はどうなんですか??』

 ほらね。なんなのこの優しさ。風邪ひいた先輩をさりげなく心配してくれるとか。

 「んー。さっきまで寝てたからだいぶ良くなった」

 『そっか。・・・今日ってサヤ子センセそっち行く予定??』

 「うん、多分。安田も来てくれたり??」

  『・・・・2人が付き合った事って、朝倉先生に言ってなかったり??』

  何?? 何で急に朝倉先生が出てくるの??

 「安田とサヤ子が言ってないなら知らないんじゃん??」

  『・・・朝倉先生、さっき家庭科室で『これは風邪に効く』って言って、お手製野菜スープ煮込みまくってましたけど・・・』

 朝倉先生の気持ちはすごく嬉しいんだけど・・・。

 なんか面倒くさい事になりそうな予感が・・・。

 サヤ子の居ぬ間に朝倉先生が来たりしたら、サヤ子に変な誤解が生まれそうだし・・・。

 「安田、ポカリがない。ポカリ買って、サヤ子と朝倉先生と3人で持って来て」

 『魂胆見え見えすぎてだるい。・・・ポカリだけ?? あと必要なもんないですか??』

 文句を言いつつ、やっぱり優しい安田。 

 「取り敢えず大丈夫」

 『じゃあ、俺らが来るまでまた寝てて下さいよ。なんか足りないもん思い出したらメールしといて下さい。じゃあ』

 電話を切る間際にも優しさを垣間見せる安田。本当にいいヤツ。 風邪治ったら、安田の好きなもん何でも奢ってやろう。

 携帯をテーブルに適当に置いてまた一眠りした。