ナミダが流れすぎて
もう、わけがわからない



――… 私は、ハルトさんを疑った

何度も助けてもらったのに
サイテー最悪なヤツだ…



それなのに


ハルトさんは私をみつめて
ニコリと笑う ――――







「 …怖い思いをしたんだ
それで当然



――… 怖い思いをして"解った"から
疑う事が出来た



例えば
『落ちたら痛いよ』というコトバ


『痛い』の単語で

転んだ事、骨を折った事
友達とケンカした事、犬に噛まれた事

"痛い"を記憶の箱の中から探して行く



そして、一番近い記憶を掘り出し
『ああ、そうか 気をつけよう』
そう "予測"が出来る



だけど今のコドモ達は
その痛さを、殆ど知らない


だから"予測"すら出来ないんだ ――





あの娘達もそうだよ…


いつかは…愛しい人のコトバで
それは後悔の涙に変わり ―――
自分のして来た不毛さを
理解する事だって出来たのに…





"お金をくれる優しいオジサン"が
まさか自分を殺すなんて
今の彼女達には
予測も付かなかったんだろうけど…


… 無知の代価にしては、ひど過ぎるね 」





「 …ヒッ 痛ヒィィイイィッ!!!!
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさヒィィイイィヒッ!! 」





「 ―――…… さあ



どうやってお前を同じ目に会わそうか…



"制服の中にも意志がある"
"女の姿だからと油断してはいけない"


今回、これで二つ 勉強したね?





――― 三つ目は… そうだな


… お前
…ルウのケーキを食べたろう… 」





「 ッッごめんなさいごめんなさヒッ
ごめんなさいいヒィィイイィーーッ!! 」








ハルトさんの
目の色が 変わった