私は部活に入らなかった。
部活に青春を謳歌させるというのもいいけど、
私は毎日毎日を、後悔なく全力で生きるため
前々から好きなことをしようと思っていたのだ。

でも、勉強もがんばること。

だから、みんなが部活で汗を流している時間、
私は図書室で勉強した。

毎日、放課後1時間。

自分できめたんだから、ちゃんと守る。

自分との約束だった。


めずらしく、図書室には誰もいなかった。
いつもなら、勉強している人が何人かいる。


いつもの指定席に座り、勉強開始。


そのとき、図書室のドアが開いた。
何気なくドアの方を見る。

田辺先生だ。

「あ、笠原。勉強?」

「はい。」