「…んぁ。寝てた。今何時?」
本を顔の上に被せ、
図書室の奥のソファに那月がいた。
那月は1個上の6年。
保育園の頃から知る幼馴染である。
黒髪は、小6にしては
長くて、鼻頭まで前髪がある。
身長は私と同じぐらいの(推定)155。
学ラン×短パンという制服が、
この学校1似合わない大人びた性格。
「5時間目が始まったところ。」
「まじか…。サボろ。」
おいおい、いいのか?
あ、私もか。
「暇なら手伝ってよ。」
本の束を見せ、手伝いを乞う。
「はいはい、1人じゃ大変だもんねー。」
ムカッ。
「違う、それなら手伝わなくてもいい!」
_本当は手伝ってほしいのに。
「那月なんかじゃ、邪魔にしかならないし。」
_いてくれたら、助かる。
脳内で、2人の私が争い合う。
いつもこうだ。
本音が出ない。
言いたくても、言えないのだ。