「ふぁ~、キレ―だねぇ…」
隣にいる乃愛が嘆息を漏らす。
確かに、綺麗。
目の前に広がるのは一面の花畑。
正直、田舎の花園って舐めてたけど、
クオリティ高すぎじゃないか。
赤、白、青、紫…。
溢れる色たちが
たくさんの人々を魅了している。
那月と、来たかったな。なんて。」
「那月と来たかったんだ~(ニヤ)」
頭の中の思考に答えが返ってきた。
まさか、声に出してたのか?
…っは、恥ずかしぃ…。
「た…っただの先輩としてっ…。」
羞恥心から、狼さんがお出ましで。
詰まる言葉ににやにや笑う乃愛。
「そっか~、先輩としてか~。」
こいつ絶対、分かって言ってるし…!
しかもなんか今日はグレー兎さん!?
口調は白だけど、
笑い方が黒さんですよ!?
幼馴染にしかわからないであろう、
変化に気付きながら、花園を後にした。