「あ~、私も中学生かぁ~。」

呑気そうに呟く乃愛。
入学式当日に自覚しても
遅いと思うのだが…。

「そうだね。」

適当に肯定する。
目の前には保護者や、
新入生、先輩と思しき人ばかり。
正直、このままでは
自分の教室が見つかるか不安。

「なっちゃん、いるかな~。」

ズデっ!!

…、人の視線が痛い。
豪快にこけてしまった私の
腕をとり、起こしてくれようとする乃愛。
…自分で起きた方が早いんだけど…。

「んしょ~。」

可愛い、から頑張れっ!


…那月、かぁ。

久々に思い出した名、藤川那月。
1個上の幼馴染。
私の特別、初恋の人。