小さな呟きに
気付く人は誰もいなくて。
周りは沢山人がいるはずなのに
2人しか居ないよう。

笑いあってる乃愛と那月。

それはどう見ても
お似合いなカップル。
乃愛は那月の事好きだったのかな。
それなのに、私の事
ずっと気遣ってたの?
紗那さんの事だって、
私が一方的に悲しんでた。
でも、乃愛も悲しかったの?
だから黒兎さんが出てきたの?


__…ハァ。

気が付くと、どこか
知らない所に走っていた。
周りのプレートを見ると
知らない名前ばかり。
『理科準備室』
『生徒指導室』
『購買部』
『…』

いくつもの教室を
通り、走りこんだ先は

『保健室』