卓也は頑張った。 頑張ったよ。 私は卓也を最後まで見守り、最後まで笑顔で居た。 ここから先は家族だけで、居て過ごして欲しいから私は病室に戻ろうと部屋を出た。 「………咲也くん。」 ドアの前に居たのは、咲也くんだった。 「凛ちゃん、お兄ちゃん知らない?」 何も知らない、咲也くん。 何て言ってあげれば良いのか、解らない。 「凛ちゃん、凛ちゃん、どうして何も答えてくれないの?」 子供って、残酷だなあと思う。