「何……で……!」



滑走路周辺と空港わ仕切っているフェンス。


そのフェンスに、仁、リオ、翔がよじ登って此方を見ていた。



黒く、全てを見透かす様な瞳。


相変わらず、苦手な瞳は、私に視線を向け続けた。



どんどん、仁が遠くなって行く。



゛アイシテル゛



そう仁の口が動いて見えた。



「っ………。」



気のせい…じゃないよね?


「私も……なんだ。」



彼の居ない、空の上。


虚しさと、悲しさが心の中に埋まっていった。