言われるがままに式場も形態もお色直しのドレスでさえも自分で選ぶ事は許されず、継母が全て両社の見栄のみだけに選ばせた物だった


…が、今の乃莉花には気にならないほどいつの間にか…悠真との結婚式が楽しみになっていたのである



式に呼ばれているのは自分の結婚式のはずなのに見知らぬ人ばかりだ


しかし、その中に唯一乃莉花と親密な関係にある人物がいた


(陽子ちゃんったらまだキョロキョロしてる…)

つい乃莉花の口から微笑が漏れる


いかにも居心地の悪そうにしている女性はしばらく周りを見渡した後やっと乃莉花を見つけて駆け寄ってきた



「乃莉花っ」


「陽子ちゃん」


「もうっいきなり結婚だなんて驚いたわよ!」


「陽子ちゃん…ごめんね。いきなりだったから」


「そんな事は良いのよ。けど…この結婚には乃莉花は賛成しているの?相手の方はどんな方なの」



「陽子ちゃんっ落ちついて!」


今にも陽子は飛び掛かってきそうな様子だ