校内にはいって、下駄箱から上履きを取り出す。

すると、2列上の舞の靴箱から何か白いものが落ちてきた。



「なにこれ?」



私が白いなにかを拾う。

これは…




「えっ、ラブレター!?」


思わず大声を出す。




「は!? ラブレタァ!?」


舞は私以上に大きな声で叫ぶ。

周りの人は一斉に私達を見た。




恥ずかしくなった私と舞は、少し声のボリュームを下げて続ける。


「だって、これ…ほら!!」


何か目印になりそうなものを探すと、手紙の裏の右端に小さく『1年3組 塚原』と書いてあった。





「え…うそ、やばい!!!」



悲鳴染みた声をあげ、舞が真っ赤になる。

塚原くんは、舞の一目惚れした人だった。


「どどど…どうしよう!!」



アタフタしている舞がすごく可愛くて、私は思わず吹き出す。

「ぷっ…!!」

「ちょ、何笑ってんのよ美織!!」



赤い顔で混乱しまくっている舞がますます面白くて私はもっと笑った。





「あはははっ!!! 舞可愛い~!」


「美織、どうしよう!!」



笑い続けてる私なんかお構いなしで真剣に悩んでいる舞。




私は靴を履きながら、舞に言う。

「とりあえず手紙読んでみれば?」



「そう…だよね、まだラブレターって決まったわけじゃないし…」

って言いながらも手が震えてる舞。



そんな舞がどうしようもなく可愛かった。