女子トイレの前まで走った。


舞はごめん!といいつつも口元はニヤけてる。




…もう。



「私真剣に悩んでるの!」

「ごめんってばぁ~」




舞は今度こそ本気で謝ってくれた。

だから、私も怒るのをやめて相談を再開。



「私、やばいかな?」

「んー…でも、本当にしたいって思った人じゃなきゃ後悔するよ?」



確かに…。

それは私も思う。

けど焦ってる自分もいるのは確かで…



「彼氏でもできたらいいんだけどね」

「そだね~。でも、美織理想高いしね~」



理想高い、かぁ~。


確かに私の理想は高いと思う。


「かっこよくて~背が高くて、Sなんだけど…でも優しくてぇ」


話しててニヤけてきちゃうような人。


「はぁ…」


舞はため息をつく。



私の理想像はまるで王子様。

いつか私を白馬に乗って迎えに来てくれるはずの…



「王子様ぁ…」

「はいはい。そんな人いないっつの!現実みなさい」

って叱り口調で笑う舞。






わかってるよ。

そんな人いないことくらい。



でも、運命の人にいつか会えるっていうことだけは

必ず信じてる。