せっかく抜け出してきたのに、
今から寝るとこだったのに、
あげく、それを邪魔しにきたのが
年増のおばさんだなんて。
最悪。
「私?見たらわかるでしょ?カメラマン」
カメラを少しだけ持ち上げてみせる。
「じゃあ仕事しろっての。悪いけど、俺、寝るから」
「いいのいいの、私もあなたと同じ、休憩だから」
「運動会の練習風景を撮りにきたんでしょ?休憩してる場合じゃないっての」
「はいはい、あなたも口うるさいのね」
【も】ってなんだよ。って思ったけど、もうめんどくさかったから放置。
「口うるさいさぼり君はおねんねみたいだから、私は仕事に戻りますかー」
うーんと背伸びをした彼女は来た方向に歩いていった。
やっと寝れる。もう一度両手両足を投げ出す。
「あ、ねぇ」
彼女の声でまたそっちを向いてしまった。
パシャ
フフッって彼女は口だけ笑って何も言わないで歩いていった。
意味わかんないや。
いらいらする。