「なぁ、おまえ俺の事好きだろ...?」

は?何言ってるのこの人...

「ならキスしていいよな」

そう言ってあたしの身体に自分の身体を絡めてくる王子様
いや、もう王子様なんかじゃないな...
ただの変態よ、変態!!

「答えろよ...」

「ひぁああっ!!」

あたしの首筋を舐めてきた男
叫ぶあたしに男は余韻たっぷりの笑みを
浮かべてあたしの反応を楽しんでるみたい。
コノヤロ-...いくらあたしでも堪忍袋の尾が切れるっつの!!

「おい、おま「おまえ、おまえうるさいですよ!あたしには榊原忍って言う立派な名前があるんですよ!」」

苛立ってきたあたしは男の言葉を遮ってしまった。
あたしはこの状態から抜け出そうと壁から手首を
離そうと自分の手首に力を入れる。
だけど、男の人の力って凄いね。ビクともしないや...
ふぅ、とため息をついてふと顔を上げたら
一瞬だけ男の瞳が悲しく揺れた気がしたんだ。
なんだか見てはいけないような気がしたからあたしはすぐ顔を逸らして見てないフリをした。