無造作にセットされた黒髪。
女のあたしよりきめ細かくて綺麗な肌。
筋がしっかり通った鼻。
形のいい薄い唇。
中でもあたしが見惚れてしまったのが
優しい顔立ちの中で対照的な瞳。
意思の強そうな真っ黒な瞳

「...どうした?」
間の抜けた顔をして見詰めるあたしに
彼は不思議そうに顔を近づけてきた。

「なっ、なな何!?」
思わず声が裏返っちゃったよ...
だってさ、こんな漫画に出てくるような美男子が
今目の前に居るんだよ!?
あたしの反応は普通だよね?
1人で悶々としていると

「おまえ、面白いな...名前なんて言うんだ?」
とても綺麗な笑みを浮かべてあたしに話かけてきたではありませんか!