「私、寝てる…」



湖の底に映し出されたのは、授業が終わり、皆がお昼を食べようと机を移動しているところだった。

その中で私を起こそうと声をかけている友人が2人いる。

咲と瑞穂だ。



…起きないと。でもどうやって?戻る方法がわからない。



思わず手を伸ばして湖の水に触れた。




「あ…」





急に白い霧が立ち込めて、視界が霞んだ。


霧はあっという間に集まり、ゆかりの視界は一面白に包まれた。


…体が、重い。


眠い時みたいにどんどん体が沈んでいく。


…夢の中なのに。


瞼をとじる瞬間、霧の外に人影を見た気がした。


しかしそれを再度確認することはできずに、ゆかりは固く瞼をとざした。




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