はじめは湖だけだった。

真っ暗闇にぽっかりと透き通るような湖が現れた。

次の時には一面の緑。

青い空。

気付けばところどころに白い花も咲いていた。


ここに来るたびに変化していく場所。




今日は…


辺りを見回して動きを止めた。


振り返った先に、全体図が把握できないほどの立派な建物があった。

平安時代の頃のような木造の建物。


戸は開け放たれ、室内の奧には御簾のようなものが垂れ下がっている。


人の気配はない。




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