「あー……じゃあ説明するから。質問あったらその場でしていいから」
蓮が姿勢を直して、やや不満そうに話し始めた。
「ここは、時の国って呼ばれてる。…………まぁ言わば死後の世界のひとつだな」
「…死後?でも私の夢の中でしょ?」
「…いや、正確にはゆかりの夢の中じゃない。………まぁ、ゆかりとしてはここは夢の中なんだろうけどな」
「よくわからないけど……」
「あー……、どこから説明すりゃいいんだっけな…………。久々だからなぁ………」
蓮は首を捻って考え込んでいる。
…実際ほんとによくわからない。
…死後の国?私は死んでなんかいないし。ここは夢の中だし。
…映画みたいな夢だと、思った。
「……時の国はね、願いを叶えるためにあるの」
考え込む蓮の横で藤壺が口を開いた。