…あ、湖だ。またこの夢。
ここ最近で、もうこの夢を見るのは何度目だろう。
対岸が見えない湖は透き通っていて底が見えるほど美しい。
水面には蓮の花が浮いている。
辺り一面は緑で覆われ、ところどころに白い花が咲いている。
空はどこまでも青く、高い。
どこか幻想的なその場所は、ゆかりの夢にたびたび現れる場所だった。
何ヶ月も前から眠るたびに必ずといっていいほどこの場所に来る。
どこかで見た場所でもないのに、こう何度も同じ夢を見ればさすがにゆかりも気にしないわけにはいかない。
夢の中で湖のほとりを歩いてみたことがあるけれど、延々と同じ風景が続くばかりで何も変わらなかった。
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