千華side

「千華・・今日調子どう?学校行って大丈夫?」

「大丈夫だよお母さん。今日は調子いいから」

「そう・・・気をつけるのよ」

「うん。じゃ行ってきます」

あたしの名前は雪野千華。
高校2年生。
あたしは9年前重い病気にかかった。
「がん」
そう宣告された。
中学の頃はほとんど学校に行ってない。
高校に入ってからもたまに行くくらいだ。
お母さんはあたしが学校に行くのを嫌がる。
あたしは地味で口べただから友達もできずいじめられたことが何度かある。
それと学校で死にかけたこと・・・・・・
呼吸困難を起こし、少し遅かったら死んでいた。
死ぬのはすごく怖い。
だってあたしは常に死と隣あわせだから・・・。
医師にはいつ呼吸が止まるかわからないと言われた。
友達もいないあたしが学校に行く理由。
それは死と常に隣合わせの人はすぐ近くにいる事を知ってほしいから。
「死ね」平気でこの言葉を使う人がいる。
みんなに死と言う言葉は平気に使ってはいけないと言うことを知ってほしい。
この言葉で傷つくひとがいる事を知ってほしい。
それがあたしの願い・・・
夢も希望もないあたしの唯一の願いなんだ。

あたしの学校は海の近くにある私立高校。
1クラス10組まである。
あたしは7組。
ドン!!
「い・・・・った」

「あっごめ~ん。きずかなかった。てかお前誰?」

「ひどいよ~まりな。ほら同じクラスのゆきなさんじゃん」

「ちがうよりか。ゆきかさんだよ~」

「雪野ですけど」

「あっそうだっけ~。ごめんね」

「あははは~」

やっと行った・・・・。
毎回毎回疲れるな。

「はあ・・教科書バラバラ」

みんな見てみぬふり。
誰も手伝ってなんて・・・

「俺も手伝うぜ」

「え?」