りりかはどうしてめりが、こんなに恥ずかしがっているのかわからなかった。
「あら、もぅこんな時間。そろそろ教室に戻らないと。それじゃあ、失礼します。」
「じゃあね、りりかさん。」

りりかとめりは、プリンスの3人とわかれて教室へ向かった。
「めり、どうしてあんなに恥ずかしがっていたの?」
「だ、だって・・・」
めりは一気に顔を赤く染め、口を結んだ。
「だってってなによ。教えて?」
少し間をおいてから、めりは口を開いた
「だ、だって私、け、け、けんと君のこと・・・す、好きなんだもん・・・」
「・・・・・」
「り、りりかちゃん?」
なにも言わなくなったりりかにめりは話しかけた。すると・・・
「えーーーーーーーーーーーーーーーー!」
「りりかちゃん声おっきいよ!」
りりかは驚きのあまり叫んでしまった。
「ごめんごめん。でも、ホント驚いた!」
「そんなに驚く事かな?」
「驚くわよ!まず、めりに好きな人がいるって事が驚きよ!」
めりは昔から引っ込み思案で、りりか以外の人とあまり関わろうとしなかった。そんなめりだから恋もする事なく、過ごして来た。それを知っているりりかからすると、めりに好きな人ができたという事はホントに驚くこと。
「もぅ私は子供じゃないんだよ!恋の一つや二つぐらいあたりまえなんだから!」
「そーなの?めりも大きくなったわね。あの頃は可愛かったわ(遠くを見つめる)・・・今も可愛いけど。」
「りりかちゃん、私のお母さんみたいだよ。同い年なのに。」
「そーかしら。まぁ、めりのお母さんっていうのも悪くないわね。」
一人でうなずくりりかだった。
「それで、けんと君とはどうなの?」
「どうって・・・、別になにもないよ。」
「何もないの!?好きになったからには、付き合うまではいかないと!」
「な、何言ってんのりりかちゃん!つ、付き合うだなんて//」
めりの顔は真っ赤かになっていた。
「私の名前だって今日知ってもらったんだよ。私なんて眼中にもないって。」
「そんなことないわよ!これから積極的に接していけば、大丈夫よ!」
「でも、ライバルが多過ぎるよ〜〜〜」
そう、めりのライバルは予想以上に多い。葉崎けんとを好きな女子は、学園全体の女子生徒の約5割をしめている。葉崎けんとは学園のなかでいちばんモテる男子なのだ。
「そんなの気にしてちゃダメよ!めりには私がついてるんだから、しっかりしなさい!」
「・・・う、うん。」
「私がめりの恋、そばで応援してあげるから。」
「・・・うん!ありがとう、りりかちゃん!私、頑張るね。」
りりかの言葉に励まされ、めりは少しやる気が出て来た。