♪キーンコーンカーンコーン♪

高学校に入学して二週間が経過したが、特に変わった事はない。

・・・と、言いたいのだが実は一つだけある。

いつものように友達と帰っていた、バイバイと手を振って、友達と別れて

あぁ、もっと一緒に居たいな・・・なんて思いながら家に向かった。ここまでは一緒だった。

数分して家に着いた。

・・・・・。

・・・・・?

家の前に人が倒れている。

「あの・・・大丈夫ですか?」

さすがに、目の前で倒れている人を放っておくわけにはいかない。

「ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」

おなかが鳴った。念の為言っておくが私じゃない。

「・・・・・し・・・」

「何ですか?」

初対面の人には優しく。うちの家族の決まりだ。

じゃぁ知っている人には優しくしなくても良いのか?

と言ったらそれは違うと思う。

「めし・・・・」

あぁ、ご飯か。

「めし・・・が、どうかしたんですか?」

今、自分の事をひどい奴だと思った。

えっ?君もそう思った?

ははっ、意地の悪い井上さん・・・とでも呼んでいただこうか。

「スミマセン・・・ご飯を恵んであげたいのですが、父には、知らない人にはついて行くな・・・と言われてますので」

いや、違う・・・

知らない人にご飯を恵んではいけない・・・になるのか?

「じゃぁ・・・俺を拾いませんか?」

目の前の人は今にも死にそうだった。

「拾いません」

クールに言葉を捨て去る。

数分の言い争いが続いた。

・・・結果。

「お風呂沸かしたんで、入って下さい。その間に何か作っときますから」

私の負けだった。