藤井さんに教えてもらいながら俺はプリクラを撮影する。
何がなんだかわからない内に全て終わっていた。


「やだ、この顔やばいー」

藤井さんは出来上がったプリクラを見て、はしゃいでいる。
俺は笑う事もなく、普通な感じだ。


「あ、でもこの顔いいね」

藤井さんが指さした一枚を見る。
確かに、藤井さんうまく撮れてる。


「携帯に貼ろうっと」

「え、やめて」

「ふふ、だって、記念じゃん」

「そうだけど、藤井さん俺が彼氏だって勘違いされるよ?」

「…え」


俺の言葉に藤井さんは目を見張ると

「だよね…っ、迷惑か。ごめんごめん」

そう、明るく笑った。



いや、別に俺は迷惑でも何でもないけど。
これから誰かと関わる事もほぼないだろうし。