「…大丈夫、俺ずっと付いてるから」

「……うん」


か細い声で頷く彼女。
…まさか、死にたくないだなんて言い出さないよな…。

焦った俺はどうにか、会話を逸らそうと話し出す。


「あ、そうだ。後はプリクラでしょ?」

「え?」

「これ食べたらプリクラ撮ろうよ」

「…うん」


余り乗り気ではなさそうだが、少しだけ彼女の顔に笑みが差して安心した。
それから、なるべく自殺の話は出さないようにした。

…藤井さんもそれを避けるように話す。


二人とも、見事に空元気だったけど。
だけど、俺は必死だった。

これを逃してしまったら、もう一度死体を見られるチャンスなんてないのだから。


「行こうか」

「うんっ」



食べ終わる頃には、もうすっかり笑顔を取り戻した藤井さんの手を引く。
俺から手を引いたのは初めてだから、藤井さんは吃驚して目をまん丸にしている。


ふざけたように笑ってくれたらいいのに、顔を赤くして。
彼女は恥ずかしそうに俯いた。