「てかさ、詳しいね…」

「そう?」

「本当に死のうと思った事ないの?」

「…ないね」

「だって、切ってたりしてたじゃん」

「あれは…」


今度は俺が黙って俯く。
どう、言ったらいいのか分からなかった。

だって、死体が好きだなんて。
そんな事言えないから。


「ま、いっか」

「え?」

「時間なくなる!ショッピング行こう!」


藤井さんは立ち上がると、俺の手を取って引っ張った。
それで俺もベンチから腰を浮かす。


駅前の商店街まで向かうと、さっきとは打って変わって藤井さんはイキイキとしていた。


何が面白いのか全く分からないけど、はしゃぎながら洋服や、アクセサリーを見ている。

俺は理解出来ないから、後ろに黙ってくっついているだけ。



それでも、藤井さんは満足なのか、時折俺を見ては笑顔を向ける。