ローカル線を降りた俺達は、元来た電車に乗る。
もう、両想い切符だとかそんな事はお互い見ない。

ただ、手を繋いで電車に乗り込む。


そして、刻一刻と。
俺達の住む駅まで向かう。


行きはあんなにもわくわくしていたのに。

こんな事、考えてもいなかった。


俺と、藤井さんの考えに違いがあるのは当たり前だ。

だって。

藤井さんは明日死ぬのだから。


はしゃいで見せたのも…。
もしかしたら、空元気だったのかもしれない。


普段の藤井さんをあまり知らないから、俺の想像でしかないけど。

同じクラスで隣の席だったにも関わらず、俺は藤井さんの事を全くと言っていいほど知らない。


知っているのはえみ、と言う名前だけ。


カバンには皆が付けているようなストラップとかついていたし。
あれで馴染めていないだんて思えない。


…それに。

俺が好きだなんて。


彼女は本気で言ってるのだろうか。