ピンポーン... 「うーん、いないか。」 インターホンを鳴らすこと10回。 206号室のお隣りさんの部屋からは全く音がしない。 ...留守か。 これだけ鳴らしても出てこないのだから、そう考えるのが普通だろう。 「また出直そう」 俺は引っ越しの挨拶にと持ってきたクッキーを206号室のドアノブに引っかけ、徒歩2秒の207号室へと戻った。