「美緒、今日一限だけだったんでしょ?」



「…うん」



「お疲れしか言えないわ」



「…帰る」



「うん、ばいばーい」



苦労して来たのに…。


ゆっくりした足取りで駅に向かう。




「ハァ…」



また電車で1時間か…。





『美緒、木曜日は一限だけにしてその後一緒に会おうぜ!』



『木曜日?分かった!!』




あたしはあれ以来木曜日は一限しか入れていない。




いや、入れる気になれないんだ。





「あたし…このままで大丈夫なのかな」



ちっぽけな独り言は電車の音で掻き消された。